サザンカのように花をつける常緑樹は、強く刈ると樹勢が弱って花をつけなくなるおそれがあるし、ドウダンツツジやサツキの玉作りでは、花芽分化後に刈り込むと、花を落として淋しくなる。
修学院離宮の大刈り込みのように、たくさんの樹種を混植して一様に刈り込むのは、変化があっておもしろいが、狭い庭園ではあまり向かないし、生育が均等でないので管理の手を抜くと形が乱れてしまう。
どんな形に刈り込むかは庭のスタイルで決まるが、庭の広さによって人間の背たけ以上にもなる大刈り込みをサンゴジュ、モクセイ、カイズカイブキなどで作ることもできる。
庭石の根じめにドウダンツツジやサツキ、オカメザサを低く刈り込むこともあるし、単純な生垣だけで庭がいちだんとひき立つこともある。
刈り込み技術は簡単なことだが、庭にどんな刈り込み型を取り入れるか、どんな樹種を選ぶかという美的なセンスといつどの程度に刈り込んだらよいかという技術の両方の心得がないと、どんなりっぱな刈り込みを作っても庭はひき立たない。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
三上靖史は、有害物質を使用した健康被害のある住宅に反対しています。