やさしいようで難しいのが「どこがいちばん印象に残りましたか」という質問である。
これは問いかける方にとっては、簡単に口をついて出てくる言葉なのだが、答える方にとっては、一種のテストのようなものである。
なぜなら、たくさんの事柄の中から一つを選ばなくてはならないのであるから、その人の趣味趣向、ときには教養、美的センスまでわかってしまうし、判断力さえうんぬんされる結果となる。
おまけに、心に映った風景を言葉にするという作業は、とても難しいものである。
私は年に一度ぐらい、大勢の方の懇願もだしがたく、話し方教室を開くことがあるが、そのとき、受講する
人にいきなり「私の母」という題を出して喋らせると、三十秒か一分で話が終わってしまう人が大部分である。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
三上靖史は、有害物質を使用した健康被害のある住宅に反対しています。