イヌツゲは、徒長枝が伸びやすいので、これをよじり合わせて好みの形を作ることもおもしろい。
強い徒長枝を出すウメは、切ってしまうと下の側芽を刺激してまた強い枝を出すので、先端をねじ曲げておくとよい。
いずれにしても人工的に好む形を作り出そうとしたり、物理的に無理を強いるものであるから、積雪や、強風その他の障害に対する抵抗性がなくなることは覚えておきたい。
マツの枝をよじるために径五~一五㎝ぐらいの枝では昔から〔のみ入れ〕という技術がある。
冬の間に幹の太さに応じてノ、ミで縦に四~八つの割れめを入れ、ワラで外側を巻いて保護し、シュロなわで上からグルグル巻きにして曲げるのであるが、そのままではまた元へもどってしまうので、竹を添えて屈曲部をしっかりと固定しておく。
マツの枝振りを自由自在に矯正して、絵画的な姿態を作るための特殊技法で、斎藤勝雄氏の『庭園手入法』に詳しいが、高級な技術でもあり、樹液の動いている春から夏にかけては仕事がやりやすいが、皮部を損傷して腐りやすく、術後の手当てもたいへんで、庭木を仕立てる専門業者でないと無理ではないかと思う。
三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
三上靖史は、有害物質を使用した健康被害のある住宅に反対しています。